年間10回ほどマラソン大会に参加している私ですが、正直なところ「走りたくないな」と思う時期があります。特にフルマラソン。
ハーフ以下なら「なんとかなるでしょ」と思えるのですが、42.195kmとなると話は別。長い距離、過酷な時間、そして途中で心が折れそうになる感覚を知っているからこそ、「またあのしんどさを味わうのか…」と気が重くなります。
でも不思議なことに、マラソンって「走りたくない」と思っている人ほど、なぜかまた走ってしまうんですよね。今回はそんな私の体験談と、気持ちを立て直すためのちょっとしたコツを紹介します。
【ステップ1】エントリーの瞬間はテンション最高潮
マラソン大会の開催アナウンスを見つけると、まずテンションが上がります。
「キター!今年も走るぞ!」と勢いよくエントリー。抽選制の大会なら、当選発表までソワソワ。
目標が決まると、「次は自己ベストを更新したい」「4時間切りたい」とやる気がみなぎります。
この時期の私はまさに“理想のランナー”。練習ランニングも苦にならず、走ることが楽しくて仕方ありません。目標があると、練習にも意味が生まれます。
【ステップ2】大会が近づくと、気持ちは一転…
ところが、日が近づくにつれて、だんだん不安が押し寄せてきます。
「完走できるだろうか」「途中で足が止まったらどうしよう」「周りに笑われたら…」と、ネガティブな思考が止まらなくなります。もちろん、実際に誰かが笑うことなんてありません。でも、自分の中のプライドが邪魔をして、勝手にプレッシャーを感じてしまいます。
そんな時、私は気分を変える工夫をします。
たとえば、いつもと違うウェアを着てみたり、新しいランニングシューズをおろしてみたり、いつもと違うコースを走ってみたり。ほんの小さなことですが、気持ちがリフレッシュされて「今日は走ってみようかな」と思えるようになります。
お気に入りの音楽を聴きながら走るのも効果的。自分のテンポに合う曲をかけるだけで、気分が少し前向きになります。
【ステップ3】前日が一番つらい。走りたくないピーク
マラソン前日は、気持ちがどん底になります。
大きな大会会場はお祭りムードで盛り上がっているのに、自分の心はまったく乗らない。「明日、完走できるのかな」「途中でリタイアしたらどうしよう」と不安だらけです。
特にフルマラソンの場合、「42kmも走る自分、何やってるんだろう」と思うこともあります。
そんな時、私が実践しているのが「早めに静かに過ごす」こと。
ホテルに泊まる場合はチェックイン後すぐに横になり、スマホもなるべく見ない。夕方に起きて、消化の良いものを食べ、翌日に備えます。
余計な情報を入れず、頭と体を休めることで、少しずつ心が落ち着いてきます。
【ステップ4】当日は吹っ切れるしかない
大会当日の朝。目が覚めると、不思議と腹が据わっています。ここまで来たら、もうやるしかない。「逃げちゃダメだ」の碇君状態です。
身支度を整えて外に出れば、朝の空気が冷たくて気持ちいい。少し緊張がほぐれます。
もし不安が残るようなら、好きな音楽を聴いてみましょう。テンポの良い曲が背中を押してくれます。
スタートラインに立つと、もう考えることはひとつ。「走る」。
号砲が鳴れば、体が自然と前に進みます。沿道の声援や他のランナーの足音に励まされながら、気づけば「やっぱり走ってよかった」と思っている自分がいます。
【アドバイス】「走りたくない」は悪いことじゃない
マラソン前に「走りたくない」と感じるのは、決して怠けではありません。
むしろ、それだけ真剣に取り組んでいる証拠。大切なのは、無理にモチベーションを上げようとせず、「気持ちは揺れて当然」と受け入れることです。
少しずつ気分を切り替えれば、スタートラインに立つ頃には自然とスイッチが入ります。
そして、ゴールした瞬間に感じる達成感。
あの感覚を一度味わうと、また次の大会にエントリーしてしまう——それがマラソンの魔力です。