マラソン大会に参加する際、前泊する人の多くがホテルを利用します(現地に知人がいる場合を除く)。なかには夜行バスで朝に到着する強者もいますが、大会前日はホテル需要が集中し、地域によっては“ホテル争奪戦”が繰り広げられます。疲れを残さず翌日に挑みたいランナーにとって、落ち着いて眠れる宿の確保は非常に重要です。
なぜホテル予約が取れないのか
ホテルそのものが少ない
地方都市では宿泊施設が参加者数に見合わないこともあります。富山マラソンでは、スタート地点がある高岡駅周辺のホテルが少なく、多くの人がゴール地点で県庁所在地の富山駅周辺に前泊し、当日は専用バスで移動していました。私自身も運営が確保していた高岡のホテルに泊まった経験があります。
土曜日は観光客と競合
日曜開催の大会が多いため、土曜宿泊は観光客と重なり予約が難しくなります。観光シーズンとぶつかればさらに状況は深刻で、マラソン参加者が「部屋を奪い合う」形になりがちです。
インバウンド需要の増加
訪日観光客の増加により、特に都市部や観光地ではホテル需要が急騰。大きな国際大会やイベントと日程が重なると、ランナーにとってはさらに不利になります。
旅行代理店がまとまって押さえる
大会公式パックとして販売されることも多く、一般枠が少なくなることがあります。ただし、私も利用したことがあり、結果的に大会前に安心して宿泊できたので感謝しています。
観光地や温泉地が会場
京都のように観光都市で開催される場合、ホテルは数こそ多いものの、観光客需要が強く簡単には押さえられないことがあります。マラソン大会前日に、見合わないゴージャスなホテルに大金はたいて泊まるのもなんですし。
大会規模が大きい
数万人規模の大会では、参加者全員が泊まるわけでなくても相当数の前泊組がいるため、供給不足が起こりやすいです。
ホテルを確保するコツ
早めに予約
大手チェーンでは6か月前、最近では1年前から予約可能な場合もあります。私もかつては0時のクリック合戦で、わずかの差で禁煙室が埋まり、喫煙室しか取れなかった苦い経験があります。
大会公式パックを利用
割高になることもありますが、宿が見つからないリスクを避けるには有効です。長野マラソンでは、通常エントリー前より一週間前に販売された宿泊パックを利用して助かったことがありました。
近隣都市に宿泊
隣接する市町村は意外な穴場。料金も抑えられる場合があります。初めてのフルマラソンでは隣町に宿泊しましたが、交通アクセスも良く結果的に快適でした。
キャンセル待ちを狙う
直前に体調不良や都合でキャンセルが出るケースもあります。私自身も体調不良で大会を棄権し、前日になってホテルを解放したことがありました。運次第では直前でも良い条件の部屋が見つかります。
最終手段を考える
どうしても見つからなければ、カプセルホテルやネットカフェも選択肢に。場合によっては一人OKのラ〇ホテルで一夜を過ごす人もいるようです。
まとめ
東横インなど大手チェーンが「6か月前予約開始」から「1年前予約開始」へと切り替えたことで、競争は激化しています。インバウンド需要や観光客の動きも重なり、状況は年々厳しくなっています。それでも、早めの行動や工夫次第で宿は確保できます。大会前日はしっかり休養し、最高のコンディションでスタートラインに立ちましょう。