Threadsでマラソンの不正行為について話題になっていたので、自分の体験も交えながらまとめてみました。
大会を真剣に走ってきたランナーにとって、不正行為は決して軽い問題ではありません。
代理出走
2024年12月に開催された湘南国際マラソンで、申し込んだ本人ではなく代理の人物が出走したことが発覚しました。これを受けて大会運営は、
- 該当者の出場記録の取り消し
- 次回以降の大会への参加禁止
という厳しい処分を下しています。
この大会では、参加賞・アスリートビブス・計測タグが事前に郵送される仕組みだったため、当日に顔写真付きの身分証で本人確認を行う工程がありませんでした。こうしたチェック体制の甘さが、不正を可能にしてしまった一因と考えられます。
一方、東京マラソンでは本人確認が非常に厳格です。大会当日、チェックゲートでランナーはスマートフォン、運営側はタブレットを使用して本人確認を実施。代理出走の余地を極力なくしています。
コースのショートカット
もう一つの不正行為として「コースのショートカット」があります。折り返し地点のあるコースで、折り返し地点を通過せずに反対側のコースへ入り、距離を短縮する手口です。
私が初めてこの話を聞いたのは、北海道マラソン 2022でした。ゴール後にSNSを見ていると、ショートカットしたランナーに関する投稿が話題になっていたのです。
さらに同年の横浜マラソンでも、同一人物とされるランナーが再びショートカットを行ったとSNS上で拡散されました。どうやら他の大会でも同様の行為をしていたようで、この人物はいずれの大会でも失格となったと報告されています。
なお、この2大会の後に参加した折り返し地点があるマラソン大会では、折り返し地点の直後に計測マットが敷かれるようになっていました。折り返し地点を通過したかどうかチェックするためでしょう。
不正が起きる背景
マラソン大会の規模が大きくなるほど、運営側が全ランナーを厳密にチェックするのは難しくなります。特に数万人規模の大会では、本人確認が甘いと代理出走やショートカットの余地が生まれやすいのが現実です。
また、「完走メダルが欲しい」「タイムを良く見せたい」という軽い気持ちで不正に手を染める人もいるようです。しかしその行為は、まじめに練習を積み重ねてきた多くのランナーを裏切るものです。
大会側の対策
不正を防ぐために、運営側も対策を強化しています。
- 顔写真付き身分証による本人確認
- ゲートでの電子チェック
- GPS計測やAIによる不正検出
- ランナー番号と個人情報の厳格な紐づけ
東京マラソンのような徹底したチェック体制は、代理出走を防ぐ有効な手段の一つです。今後はより多くの大会で、こうした仕組みの導入が進むと期待されます。
ランナーとしてできること
不正をなくすためには、運営だけでなくランナー自身の意識も重要です。
- 代理出走を「軽い気持ち」で受けない・頼まない
- 不正行為を見かけたら大会運営に報告する
- 自分の記録を正当に残すことの価値を理解する
大会は多くの人の努力で成り立っています。ルールを守ることで、全員が気持ちよく走れる環境が保たれます。
おわりに
私自身、参加した大会で実際に不正行為の話題を目にしてきました。せっかくこの日のために多くのランナーが努力してきたのですから、不正は本当に残念なことです。
一人ひとりがルールを守り、運営とランナーが協力し合うことで、マラソンはもっと気持ちよく、フェアな競技になるはずです。