「東京マラソンはフラットだから絶対に好タイムが出るはず!」 そう意気込んでスタートしたものの、後半に大失速して悔しい思いをした経験はありませんか?
2026年3月1日に開催された、日本最大級の市民マラソン「東京マラソン2026」。私は、2週間前の「京都」、1週間前の「大阪」に続く「3週連続フルマラソン」の過酷な3戦目として、この大舞台に挑みました。
結果は、ネットタイム 4時間42分22秒。 過去2戦(5時間切りギリギリ)に比べれば踏みとどまったものの、本来目標としていた「サブ4」には遠く及ばず、やはり後半に大きく失速する結果となりました。
京都で痛めた膝のダメージ、常用薬の忘れ、そして東京特有の「罠」にハマったことが原因です。この記事では、満身創痍で4万人のメガ大会を走り抜いた50代ランナーの視点から、東京マラソンで後半失速を避けるための「5つの盲点」と、失敗を次に活かすための具体的な攻略法を徹底解説します!
東京マラソン2026の概要と「値上げ」の真実
東京マラソンは、世界主要マラソン(アボット・ワールドマラソンメジャーズ)の一つであり、約40,000人が東京の名所を駆け抜ける、文字通り日本最大級の市民マラソンです。
| 開催日 | 2026年3月1日(日) |
| スタート時間 | 9時10分 |
| 制限時間 | 7時間 |
| 定員 | 約39,000人(前年比+1,000人) |
| 参加費(事務手数料、消費税込み) | 19,800円(国内居住者) 前回の16,500円から20%(3,300円)アップ |
| スタート地点 | 東京都庁(新宿) |
| ゴール地点 | 東京駅・丸の内周辺 |
東京マラソンの当選確率を上げる「4つのエントリールート」
一般抽選の倍率は例年10倍前後と言われ、プラチナチケット化しています。少しでも確率を上げるための主なルートがこちらです。
- 一般抽選(王道): 誰でも申し込める基本ルート。まずはここから。
- ONE TOKYO 3大会連続落選者チャレンジ: 公式会員(ONE TOKYO)限定。3年連続で落選した人のための救済枠(約3,900名分)。
- ONE TOKYO プレミアムメンバー先行抽選: 年会費ありの有料会員枠。一般よりも当選確率が高い(倍率約8倍、枠約3,000名)。
- チャリティランナー: 寄付金(実質15〜20万円前後)を支払うことで、走力に関係なく確実に走れる枠。
【実走レポート】セキュリティの罠と、暑さに泣いた42.195km
スタート前の大誤算:ペットボトル没収のセキュリティ
東京マラソンのテロ対策・セキュリティチェックは世界最高水準に厳格です。金属探知機ゲートを通過する際、私が持ち込もうとしたペットボトルのミネラルウォーターは、持ち込み制限によりその場で没収されてしまいました。事前の持ち込み禁止リストの確認は必須です。

プチ安心情報: ペットボトルを没収されても、ゲート通過後のスタートエリア内ではミネラルウォーターやポカリスエットが無料提供されているため、水分補給自体は問題なく行えます。
スタート前の雰囲気
周囲を見渡すと圧倒的な数の外国人ランナー。様々な言語が飛び交う穏やかなお祭りムードの中、京都・大阪と連戦してきた私の脚はすでに限界近く、前夜に睡眠用の常用薬を忘れて浅い眠りのまま当日を迎えたため、体調は万全とは言えない状態でした。

そしていよいよスタートの号砲が鳴りました。

スタート〜10km:新宿からの「下り誘惑」
新宿都庁前をスタートすると、しばらくは心地よい大歓声の中を走ります。しかし、最初の5kmすぎまでは「下り基調」。ランナーの密集による混雑で自分のペースが作りにくいうえに、下り坂の勢いで、意識しないと勝手にオーバーペースになりがちです。ここで脚を使いすぎることが、後半の大失速の伏線となります。
10km〜25km:3月の東京を襲う「日差しと暑さ」
浅草や日本橋を巡る中盤戦。2026年大会のこの日は、3月としては非常に気温が上がり、強烈な日差しがランナーを襲いました。Tシャツと短パンで十分な気候でしたが、20kmを過ぎたあたりから暑さによる体力の消耗が顕著になります。
シューズには信頼しているミズノの「ウエーブリベリオンフラッシュ2」を選び、事前に地元で購入しておいた「アミノバイタル スーパースポーツ」と「パーフェクトエネルギー」で計画的に補給を行いました。しかし、前々週の京都で痛めた膝の違和感が、ハーフを過ぎたあたりから明確な痛みに変わり始めます。
25km〜フィニッシュ:給水過多によるリズム崩壊
30kmを過ぎ、銀座から高輪への折り返し付近では、完全に「サブ4」の貯金を吐き出し、完走目標へと切り替えました。 暑さのあまり、各給水所でコップを手に取りすぎた結果、今度は尿意に襲われてトイレへ何度も駆け込むハメに。脚の痛みとトイレロスが重なり、ペースは大きく低迷。
最後は、丸の内の美しい石畳と東京駅を目の前にしてフィニッシュ。ネットタイム4時間42分22秒と、3連戦の疲労がそのまま数字に出たような、過酷な42.195kmとなりました。
東京マラソン2026 結果
- グロスタイム:4時間50分41秒
- ネットタイム:4時間42分22秒
- 年代別順位:2214位 / 3576人(マラソン男子55歳~59歳)
- 完走率:約96%


東京マラソンで後半失速を招いた「5つの盲点」
私の3連戦のデータと東京での実体験から、市民ランナーが陥りがちな失敗原因を分析します。
① 15℃以上の「春の暑さ」への対策不足
3月の東京は、年によって冬の寒さが残る日もあれば、一気に初夏の陽気になる日もあります。今回は完全に後者でした。ビル群に囲まれたコースは直射日光を遮るものが少なく、アスファルトからの照り返しも強いため、帽子や日焼け止めなどの暑さ対策を怠ると後半に脱水・失速します。
② 序盤の下り坂での「ステルス・オーバーペース」
都庁からの下り坂は、本人が「気持ちよく走っている」と思っていても、大腿四頭筋(太ももの前側)に強烈な着地衝撃を与え続けています。ここで作った1〜2分の貯金は、後半に15分以上の大借金となって返ってきます。
③ 暑さに焦った「給水過多(ガブ飲み)」
熱中症を恐れるあまり、給水所で毎回水を飲みすぎるのは危険です。お腹がタプタプになり、胃腸が冷えて吸収力が落ちるだけでなく、私のようにトイレ回数が増えて大幅なタイムロスと走りのリズム崩壊を招きます。
④ コンディション不良時の「攻めの姿勢」
「せっかく当たった東京マラソンだから」と、膝の怪我や連戦の疲労があるにもかかわらず、前半に普段通りのペースで突っ込んでしまいました。身体のトラブルがある時は、スタートから「守りの走り(キロ30秒落とし)」に徹するべきでした。
⑤ 睡眠不足とルーティンの乱れ
常用している睡眠用の薬を遠征先に忘れるという凡ミスにより、前夜の睡眠の質が著しく低下しました。フルマラソンを走り切るための自律神経や集中力が、スタート前にすでに削られていたと言えます。
50代ランナーが東京マラソンを攻略するための4つの再現策
年齢に伴う回復力の変化を考慮し、50代以上のランナーが東京マラソンで確実に結果を出すための戦略です。
本命レースの前後3週間は「フルマラソンを入れない」 友人からも「大会を絞ったほうがいい」とアドバイスされましたが、まさにその通りです。京都→大阪→東京の3連戦は、表面上走れていても細胞レベルのダメージ(特に靭帯や関節)が蓄積します。本命でPBを狙うなら、前1ヶ月はしっかり足を休めて調整(テーパリング)に充てるべきです。
スタート〜15kmは「遅すぎる」と感じるペースを維持する 東京マラソンを制する秘訣は、最初の15kmをいかにスマートに、息を切らさずに抑えられるかです。「周りにどんどん抜かれても気にしない」という強いメンタルが、30km以降の爆抜きを生みます。
給水は「事前の計画」に従い、1回コップ1杯まで 暑い日でも、全ての給水所で飲む必要はありません。「今回は奇数の給水所だけ寄る」「1回につきコップ半分だけ口に含み、残りは首筋にかける」など、自分なりの給水計画をあらかじめ決めておくことで、トイレロスを徹底的に防げます。
25kmまでにエネルギー補給(ジェル)をすべて完了させる 30kmを過ぎて脚が動かなくなってからジェルを飲んでも、内臓の血液が筋肉に奪われているため、胃腸がエネルギーを吸収してくれません。後半のエネルギー切れを防ぐため、10km、20kmといった早い段階で補給を済ませておくのが鉄則です。
まとめ:後半をコントロールできる者が東京を制する
不本意なタイムではありましたが、やはり東京のど真ん中、普段は絶対に歩くことすらできない車道を4万人のランナーと駆け抜ける体験は、何物にも代えがたい高揚感があります。沿道の途切れない大歓声、ボランティアの皆さんの笑顔は日本一の大会だと改めて実感しました。
東京マラソンはフラットで走りやすいからこそ、「前半の誘惑に勝てるか」「当日の気温変化に対応できるか」という自己管理能力が試される大会です。
今回の3連戦で得た教訓と、ボロボロになりながらも手にしたこの完走メダルの重みを糧に、次回は必ず万全の体調、そして適切なスケジューリングでリベンジを果たしたいと思います。
みなさんも、ぜひこの記事の対策を参考に、東京のフィニッシュロードを笑顔で駆け抜けてください!

東京マラソン 次回参加者へのアドバイス
- スタート〜15kmは「遅いくらい」で入る(後半の余力確保が最優先)
- 25kmまでに補給を完了させる(後半は吸収しにくくなる)
- 気温15℃以上なら暑さ対策前提でペースを落とす
- 給水は事前に取るポイントを決めておく(飲みすぎ防止)
- 連戦は避けるか、本命レースを明確にする
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使用シューズ
実際にこの大会で使用したシューズはこちらです。







